日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

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家づくりに携わる当事者と第三者について

家づくり援護会では
以前より住宅にも資本や経済的のしがらみがない第三者的の立場から
トラブルを防ぎ、仕組みとしての不公正、不明瞭をただす役割について
具体的な提案をしていきたいと思います。

と当会の書籍「建てる前に読む本」の3章で書いています。

第三者的立場としての具体的な活動として「欠陥住宅予防検査」という
建築中(引き渡し後の稼働検査を含む)の検査を行ってきました。

「欠陥住宅予防検査」とは現場が設計図通りに施工されているか
いないかを確認する検査です。



「第三者」とは:
・当事者以外の人。当面する事柄などに直接関係を持たない人(明鏡国語辞典より)
・当事者以外の者。その事柄に直接関係していない人(広辞苑第五版より)

第三者は当事者以外の直接関係をしていない人といえると思います。


建築に携わる当事者とはどんな人たちでしょうか。

ハウスメーカーの営業担当者?
間取りの打ち合わせの時のメーカーの設計担当者?
営業所の所長さん?
現場監督さん?
現場の職人さん?

そのような方々も依頼者にとっては
家づくりを担っている方々ですので
家づくりの当事者という事になるのでしょうが、
このブログでは、
契約上、建築の法規上責任がある立場の人は
誰かという事にしたいと思います。

契約上、建築の法規上責任がある者とは

・依頼主(施主)
・工事を請けた法人(代表者)
・設計者
・現場*監理者

監理者:
監督し取り締まること。・・・・「管理」は
組織などを取りしきったり、施設や機械などを
良い状態に維持したりする事であるが、
それに対して「監理」は規則を適用して
監督し取り締まること、・・・
(スーパー大辞林3.0より)

建築の場合一般的には現場監督を「管理者」と
称する場合が多いです。


以上の4者は建築を行うときに
法基準に照らし合わせて建築内容を確認をする、
「確認申請」に記載されている当事者です。

この4者は当事者であり
それぞれに何かしらの責任があります。
また、責任があるということは裏を返せば
権限もあるといえると思います。


「欠陥住宅予防検査」の検査員は第三者として、
当事者である設計者が作成した設計図を元に
現場検査を行っています。

家づくり援護会は第三者的立場ですので、
検査を実施して指摘がある場合、
「現場監理者」と同じように
指摘カ所の是正方法や施工の指示を
する事は出来ません。
ですので、原則的には
検査には依頼者の立ち会いもお願いしています。

しかし、依頼者の方がいつも
現場に立ち会えるとは限りませんので、
立ち会えない場合は、
検査結果を施工会社に伝える事と
工事に不適切なカ所がある場合は
その改善を求めることについての
権限を委任されている事が記載された
委任状をいただいています。

今日は
住宅建築の第三者的立場と
当事者の違いについて書いてみました。

第三者的立場の良いところは
公平中立で事態を俯瞰して見られるところ
だと思います。

第三者的立場と責任がある当事者の立場を
混同している方がいらっしゃいますが、
住宅に携わる「当事者」と
「第三者」(家づくり援護会)を
うまく使い分けて家づくりを進めることを
お勧めします。

関東:今井 利一


満足な家づくりのサポート

注文住宅を造ろうと思ったとき、その方法は二種類に分かれます。


一つ目は、どんな家にしたいか書籍を読んだり、友人、知人から情報を得たり、SNSの意見やホームページを参考にする。

近くの住宅展示場に行き、自分たちはどこの住宅会社が合うか考えながらそれぞれの展示場を見て歩く。

または、あらかじめいいと思った住宅会社数社の展示場に赴き実物を見たり、パンフレットを見て、営業から説明も受ける。

候補の住宅会社を数社選び、価格や工法などの仕様その他様々な条件の中からどこに家づくりを依頼するか検討を重ねる。


二つ目は、どんな家にしたいか書籍を読んだり、友人、知人から情報を得たり、SNSの意見やホームページを参考にする。

ここまでは最初の方法と同じですがこの後に違いがあります。

自分たち家族で、家の使い方や将来の家族の変化どんなスタイルの家がいいのか、どんな設備がいいのか、どんな工法がいいのか、どんな材料がいいのか、様々な事を考える、場合によっては自分たちで間取りも作る。

そして、

間取りも含めてどんな家にしたいかをまとめた物を住宅会社に示し、候補の住宅会社を数社を選び、価格や住宅に対する姿勢や管理体制などの条件の中からどこに家づくりを依頼するか検討を重ねる。


概ね、一つ目と二つ目の家づくりは中間が違うだけです。

でも、二つ目の家づくりは私たち素人には不可能じゃないの?

と思われるかもしれませんが、

家づくり援護会では二つ目の家づくりを考えている方向けに各地で「設計教室」を実施しています。

現在行われている「設計教室」では、主に二つ目の家づくりの間取りの作成のお力になるために行われているものです。

家づくり援護会では家づくりをされてきた方から様々な相談を受けてきました。

そんな中で、二つ目の家づくりの方法をされた方は自分の家に対して満足度が高いのは事実です。

そこで、より満足度が高い家づくりをサポートする必要があると考え、現状の「設計教室」修了後のサポートとして、(仮称)「設計教室アフターサポート」を企画しています。

詳細は近々当会のホームページなどに記載いたします。

関東:今井 利一


イエンゴでの住宅設計と現場監理(伊豆)

イエンゴでの設計と現場監理を経て完成した建物

イエンゴで設計・監理をして昨年引き渡した伊豆の住宅です。

建て主の方との接点は、「購入したい土地が伊豆にあるのだが、どのくらいの家が建てられるのか?」という相談を承ったのが始まりで、イエンゴで設計・監理するようになりました。

建て主の方は当時横浜在住で居住していた家はバブルの時代に購入した住宅で、「いくつか不満点があり大きさにも満足していないので、リタイア後に今よりも広い家でのんびりとしたところで過ごしたい」とのことで伊豆に家を建てることにしたそうです。

イエンゴに設計・監理を依頼される方のなかには、居住地から距離がある方が何人かいらっしゃいます。それは自分で建築途中に遠隔地にある自宅の工事を定期的に確認するのは不可能だし、現場監理をしっかりしてくれ、全国に建築士会員がいるイエンゴに頼むのがベストと考えてのことかもしれません。

関東:今井 利一


住宅瑕疵保険の検査は欠陥防止に役立の?

瑕疵保険の検査と不具合の防止について書いてみました。

ここで紹介するのは国土交通省の方々が執筆された、住宅の瑕疵保険(瑕疵担保責任保険)が始まる前に法律(瑕疵担保履行法)の趣旨を理解してもらうために書かれた11年前の本ですが、保険の検査(住宅瑕疵保険の検査)の目的についても書かれていますのでご紹介します。
その本はQ&A方式で書かれていて、「図解でわかる 住宅 瑕疵担保履行法」(株)ぎょうせい発行 という本です。

ここから-----------------------------
Q92
保険法人の検査に合格していると言うことは、
検査をした保険法人が瑕疵がないことを証明したことになるのですか。


住宅は他の工業製品と異なり・・・(中略)
現場検査は、指定保険法人が保険の引受をするにあたって、
異常なリスク集積や巨大リスクの発生、*モラルハザードの防止等を図るなど、
一定のリスク管理のためにおこなうものです。あくまで、指定保険法人が
自らの利益のために実施するものと考えてください。
したがって、指定保険法人が現場の検査をしたことをもって、指定保険法人が
瑕疵がないことの証明や保証をするものではありません。

*モラルハザード(三省堂 スーパー大辞林3.0より):保険に加入したことによって、加入者が果たすべき注意を怠ったり、故意に事故を起こしたりするような危険。道徳的危険。



住宅の瑕疵保険の検査は、住宅の瑕疵がないことを保証するという検査ではないのです。 
住宅の瑕疵保険の検査ではモラルハザードの防止の目的からだと思いますが、申請内容の通り施工しているかを施工者自らが確認してもらうようにしています。

不具合が起きる原因の一つに、間違った認識、うっかり忘れ、があります。 住宅の瑕疵保険の検査では、施工者自ら現場の内容を確認したものを検査員がチェックするという検査です。そのような検査では現場での欠陥防止に全く役に立たないということではないでしょうが、認識不足やうっかり忘れなどを防止することはできません。

現場での不具合を防止するのは設計の段階から工夫が必要ですし、施工段階での*現場監理が重要になってきます。施工段階で現場監理の機能が発揮できないような懸念のある業者の場合は、専門家のアドバイスを借りながらご自分が建築中の現場を確認するという事もできると思います。
そのような不安のある業者さんに住宅の建築を頼む場合は、
家づくり援護会の欠陥住宅予防検査の利用を考えてみてはいかがでしょうか。

また設計・監理も家づくり援護会で行っています。

*現場監理(者):その人の責任で設計者が書いた設計図通りに工事が実施されているかいないかを確認する(者)。

関東:今井 利一


木造住宅の安全性確保にも構造設計時の判断が重要

木造住宅の構造設計と言えば地震対策が思い浮かぶと思います。
地震対策も当然重要ですが、それだけではないのです。

建物に加わる力には種類がある!

建物には”常に加わる力”と”瞬間的に加わる力”があります。

例えば地震は瞬間的に加わる力ですが、それ以外の瞬間的に加わる力として、
暴風(台風)の力があります。
台風は日本列島の太平洋側の広い地域で毎年のように襲来しますね。
それと、温暖な地域や関東以西の太平洋側では、たまに降る雪も瞬間的に加わる力になります。

建物に常に加わる力とはどのような力でしょうか。
まずは建物の自重です。
それと、建物を利用するときに建物に載る人や物などの力です。
また、雪が日常的に降る地域では雪も瞬間的に加わる力ではなく、日常的に加わる力となります。

瞬間的に加わる力の地震や暴風(台風)が来た時も、
建物の自重や中に人がいて生活をしていますので、
建物の安全性は建物に常に加わる力と
瞬間的に加わる力の合計で設計しなければなりません。

建物に加わる力には地域差がある!

雪が日常的に降る地域では地震や暴風(台風)が起きたときに
雪が積もっている可能性があります。
しかし、1年のうちに雪が常時積もっている期間は地域によって違うでしょうが、
建築では約1/3の35%の雪の力を地震や暴風(台風)が起きたときに
構造の設計時に加えるようにしています。

建築では暴風、積雪、地震には地域差がある事になっていますが、
暴風と積雪についてはしっくりきますが、地震には地域係数という物があり、
2年前に発生した熊本では、係数が値が低かった地域でも被害が出ていますので、
私自身は、この係数をそのまま当てはめるのは良くないと思っています。
この係数は建築基準法の施行で決まっています。

地震に関して言えば日本全国どこでも起こるのではないかと
感じていますが、一度決めた法律はなかなか改めることは出来と思います。

安全側の設計は設計者の判断で行える!

住宅を安全側で設計するのは全く問題がありませんので、
地域係数により地震力を割り引いて計算しないという方針も設計者にはあると思います。

関東:今井 利一