日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

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ハウスメーカーの現場確認の現状 その2

ハウスメーカーの現場確認の現状 その2

 下記の写真は、当会の「欠陥住宅予防検査」で撮影の1枚。

 室内の耐力壁(建物構造上の重要な壁)で、壁の下側を留めるビスが配管があるため打てない状況です。
 これを根本から修正するためには、配管を一度外してビス留めしたあとに再度配管を工事するようです。


 なぜこのような状況になってしまったか。
 
 これは現場監督が、室内の耐力壁と配管の関係を見落としてしたと思われるからです。
 このように配管がある箇所のビス留めは、配管より先に先行して工事しておかなければなりません。それを理解していなかったか、忘れていたのか、工事の段取りが逆になってしまったのです。


 そもそも現場監督には事前に「耐力壁の検査」があることは伝えてありますので、当会の検査前にチェックしていればわかったことだと思いますし、それ以前に室内の耐力壁と配管の関係を理解していれば工事の順序も逆だったはずです。


 これは以前のブログでも書いてありますが、ハウスメーカーの現場監督は担当件数が多く内容を詳細に把握できていないことが原因の一つかと思います。工事の進行が滞らないことが主な仕事で、図面の把握、現場の状態確認までできていないのではないでしょうか。ハウスメーカーは家づくりを数多く・工程を早くすることで利益を得ています。その弊害の一端がこのような事象として出ているのも事実だと思います。



関東:大垣 康行


ハウスメーカーの現場確認の現状

ハウスメーカーの現場確認の現状

 当会の「欠陥住宅予防検査」で、指摘をハウスメーカーの現場監督さんに伝えると、現場監督さんが大工さんに「○○が付け忘れているみたいよ。付けてきて。」といった感じで、自分では確認せず指示を出している光景を時々見ます。指摘されてしまった責任は大工さんにあるといった感じです。

 当会も建て主さんも是正されれば問題はないのですが、工事を請負った会社の社員として、どう指摘されたのか気にならないのかと思ってしまいます。

 なぜ気にならないのか。きっと当会検査前に現場監督さん及び設計担当者さん自身のチェックも社内検査もしてないからでしょう。していれば「そんなはずはない。どこですか。」と自分事として気になるはずです。もちろん数多くの現場数を管理する忙しい現場監督さんは見落としがあっても仕方ない部分もあると思います。特に当会の検査は丁寧に確認するので現場監督さんや設計担当者さんのチェックでは見つからなかった箇所も出てくることもあります。指摘があること以上に、指摘に対する自分事としての意識不足が問題だと思います。

 その意識不足を招いている原因は、一人の現場監督さんに数多くの現場を担当させて、一つ一つの現場をきちんと管理できる状況をつくってあげていないハウスメーカー自体にあると思います。その状況が変えられないならば、設計担当者さんと社内検査の監理をしっかり実施できるように改善すべきかと思います。



関東:石川 克茂


下請け業者に任せきりが原因での工事ミス

ビスの打ち忘れ

家づくり援護会で実施している工事中の検査
「欠陥住宅予防検査」の上棟後確認での指摘事項です。

金物のビス打ちの忘れです。

現場監督は金物を通常確認しますが、
会社によっては職人に任せ切りで確認していない場合があります。

写真のようではせっかく取り付けた金物も、
地震時の引き抜きに耐える意味を成していません。

現場を見る目を増やして、ミスが無いよう当会のような第三者検査が必要です。

関東:石川 克茂


金物の意味がない!

釘の打ち忘れ

家づくり援護会で行っている工事中の検査「欠陥住宅予防検査」、上棟後確認での指摘事項です。

金物の釘打ちの忘れ4本です。

現場監督さんも柱などの金物は通常確認しますが、写真のような屋根の軒先金物までしっかり確認していない場合があります。
写真の金物は風圧による屋根のあおりに耐えるための重要な金物です。
下請け業者に任せきりにしている施工業者だからと予想します。

関東:石川 克茂


断熱材確認も重要

断熱材が必要な部分に設置されていない


設計図面と異なる断熱材が使われていた

家づくり援護会で依頼を受けた工事中の検査「欠陥住宅予防検査」。
断熱材検査での過去の指摘事項です。

写真上は2階床下に当たる部分でしたが断熱材が取り付けられていませんでした。

写真下は設計図面と違う断熱材が設置されていました。

断熱材工事の仕方により、住環境に影響して結露やカビの原因にもなります。
工事状況を確認することが重要です。


家づくり援護会では、住宅診断(ホームインスペクション)を実施しています。
工事中の状況を確認しておくことをおすすめします。

関東:石川 克茂