日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

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LDKの幻想


 建売住宅などで表記されるLDK表示。

 戦後日本で作られた間取りの記号です。


 住宅メーカーもこの間取り表記を採用したため、

○LDK型の住宅は瞬く間に広まり現在に至っています。

部屋数をイメージするには容易な表記ですが、

これがライフスタイルまで変えてしまったと言えます。


 かつては夢のマイホームでの憧れだった○LDK型の住宅ですが、

最近のライフスタイルの多様化やコロナ禍での生活変化に伴い、

必ずしも誰にでも住みやすい間取りスタイルではなくなってきていると言えます。


 特に最近は一人暮らしのシングルやふたり暮らしセカンドライフ、

二世帯同居など家族構成が様々。必要な○数もそれぞれですし、

LDKといった生活場面別に分けた空間ですと不便なこともあります。


 ○LDK型間取りの考え方は今まさに転換期なのかもしれません。

個室は必要か、リビングダイニングは分けて使うのか、

自分なりの答えを出すには、LDKの常識にとらわれない自由な発想で間取りを

考える必要があるかもしれません。


 これから住み続ける住宅が家族のライフスタイルと本当に合致しているかは重要です。

建売住宅を購入した方を訪問すると、

販売時のパンフレットで描かれた暮らし方をしていないことが多いです。

○LDK型の間取りに当たり前のように捕らわれることは、

豊かさをつぶした限られた空間になる可能性があるのかもしれません。



 当会の設計教室または設計キットでも示していますが、

家族のライフスタイルは結婚·子供の独立両親との同居·老後などで変化し、

その都度、住宅に求めるものも変化していきます。

今は想像できない間取りのアイデアも将来の家族のライフスタイルの

変化に対応できるアイデアになるはずです。



関東:石川 克茂


相談会を経て

 先日も公共の場にて無料相談会を実施し、いろんなご相談を頂きました。





 これまでに家づくりのご相談者に接してきたことを思い起こしますと、家づくりに対して、
・不安を持ちながら進めている
・矛盾が生じている
・自分の納得ペースで進んでいない
・調べても良し悪しの判断がつかない
・相談するところがない
という思いを抱いている方が多いです。


 上記が解消されることが、家づくりの幸せに細やかながら繋がると感じます。


 時代で家づくり環境は変われど、情報弱者として不利益を被りがちなに建て主さんの家づくりの不安や迷いを支え、家づくりの不幸を未然に防ぐサポート(=援護)をする活動内容は変わりません。


 また、過去の活動により判明した家づくりの実際問題や相談は、行政と民間ではサポート出来ていない(出来ない)ことも多く、NPOである家づくり援護会だから携われることが多いです。


 家づくりに携わる専門技術者の立場から、ご相談者や建て主さんに援護の手を差し伸べるのが当会の社会的責務ではないかと考え、当会建築士の共通理念として活動しています。




老朽化したマンションの諸問題

建築資材の高騰の影響で住宅の新築が減少し、

今後は、戸建て、マンションともリフォームの物件が増えていくと思われます。


特に、老朽化したマンションの管理、修繕、建て替え、住民の立ち退き等、

緒問題が指摘されています。



管理に関して法的な動きがあります。

マンションの管理方法を定める区分所有法などの改正です。

例えば、現在建て替える場合には集会(総会)で5分の4の賛成が必要ですが、

高齢化などの問題で、必要な賛成を得るのがむずかしくなっていると言います。

解決案として一つは、必要な賛成数を現状の5分の4から4分の3、あるいは3分の2に引き下げる案など出ています。



今後、マンションについていろいろな動きが出てくると思われます。



家づくり援護会ではマンション物件の検査をしております。

ぜひ、マンションの新築、中古検査をご利用して

安心な住まいを確保して欲しいと思います。


北海道:今井 正樹


設計図面の活用法



 “言った、言わない” “説明した、聞いていない”



 当会によせられたトラブル事例の中に、

“言った、言わない”、“説明した、聞いていない”

という内容を含んだ事例があります。

打ち合わせ議事録や設計図面などに記録が無いため、

双方の記憶でしかわからない事例です。

 このような場合、第三者でも判断がしにくく、

業者側の言い分のほうが通ってしまうことが多いように感じます。



 そうならないために、設計図面を活用することをお勧めします。

新築工事でも改修(リフォーム)工事でも基本的に設計図面は作成します。

打ち合わせ議事録は業者により、作成したりしなかったりします。

ですので、その設計図面にできるだけ盛り込んでしまい、

後でもめないように、図でも文言でもわかるよう記載しておきます。

特に施主のほうで気にしている点、こだわりの点などは必須です。

 また、「設計図面は専門的すぎて、よくわからない」と施主の声があります。

設計図面のすべてを理解できなくても良いので、

気にしている点、こだわりの点などについて記載してあることは

確認しておいてください。



 工事が進んで、できてしまってからですと、後戻りはしにくいです。

ですので、双方齟齬の無いよう、十分に確認しながら、

記録を残して、トラブルにならないようにしてほしいと願います。


関東:大垣 康行


2024年労働上限規制について

 建設業界の企業は今、若い人材の獲得に必死になっていると言います。その背景には、同業界が直面する2024年問題があります。




 来年4月から時間外労働をめぐる上限規制が厳格化されることによって起きる問題とされています。


 適用されれば、従業員の時間外労働の上限は月45時間、年360時間となり、1人あたりの労働時間が縮小、従来の業務を多くの人数でこなさなくてはならないため、人材不足が問題視されています。


 ある大手ハウスメーカーはハウス建設において、住宅建設に携わる大工の採用人数を増やし、給与も大幅に引き上げて待遇も改善することで、人材の獲得をしようとしています。


 新築住宅の着工件数は近年、伸び悩んでいます。人材の確保がなければ供給が支えられなくなるとも言われます。


 住宅建設業界の状況は、今後さらに厳しくなりそうです。

 懸念されるのは、管理に時間がとれなくなり住宅の品質が下がってしまうことです。

 それはあってはなりません。

 管理の重要性が今以上に必要になってくるのではないかと思います。




 家づくり援護会(イエンゴ)では サポート事業を行っています。

 家づくりに必要な 土地探しから住宅が完成し住んでからまであらゆるサポートを致します。

 安心な家づくりにぜひ活用してほしいと思います。

北海道:今井 正樹