家づくりの工程
家づくりに参加する人
一軒の家をつくるのには、非常に多くの人々の力が必要です。具体的にどのような人たちが家づくりに参加するのか、家をつくる順番に列挙してみます。
一番最初は土地の測量をする測量士。次に、住まい手の希望を計画し具体的な設計図に起こす設計士、建築士(規模が大きくなれば意匠設計、構造設計、設備設計)。計画した家が法律に違反していないかどうかを役所に確認する申請業務は建築士の仕事です。
こうしていよいよ着工となるわけですが、まず土工と呼ばれる人たちによる土地の整地が行われ、工事責任者、監督、棟 梁 などが縄張り〔建物の位置を決めること〕を行います。次に根切〔基礎の穴を掘ること〕、そして地業
といって石を敷き詰めます。それから基礎のコンクリートを流し込むための型枠を設置し、基礎の鉄筋を組み立て、コンクリートを打設するという具合に、ここまでで、測量士、建築士、土工、棟梁、と四種の専門家や職人が参加してきます。
基礎ができあがったところで、本格的な家づくりに入りますが、ここからさらに、大工を主として、屋根の種類にもよりますが瓦工または板金工、防水する防水工、給排水の配管工、ガス配管工、電気工、それから仕上げに入って内装工、造作大工等々、主だったところで一六種もの職人さんたちが家づくりに参加します。
これらの職人さんたちを取りまとめるのが棟梁、もしくは現場監督です。そして、正しい工事が行われているか、施主の意向に沿っているかを調整するのが監理建築士です。一つの家を建てるには、これだけ多くの人たちが集まって仕事をしていきます。これらの人たちは、ほとんどがいわゆる「職人」で、一見すると偏屈で気難しい感じがしますが、意気に感じて仕事をすることに誇りをもっている頼もしい人たちなので、工事前だけでなく、工事中も気さくに話しかけ、コミュニケーションをとることはとても大事なことです。
家づくりの工程
家づくりの工程は一般的に以下のようになります。
イ)調査…………土地の形状、高低差、寸法の調査。
ロ)基本計画……施主の要望の検討。
ハ)基本設計……規模を確定させ、大まかな内外装の検討。
ニ)実施設計……細かい家具などの仕様すべてを決定。
ホ)確認申請……法律に適合しているか役所に書類提出。
ヘ)業者選定……適正な技術と価格等による施工業者の選定。(建売り住宅の場合不要)
※地鎮祭(神主によるお祓い。職人さんたちの要望は強い。工事中の無事故祈念)
ト)着工
1.土工事・・・土地の整理。
2.基礎工事・・・基礎づくり。
3.建て方工事・・・構造体の立ち上げ。
※上棟式(職人さんたちへの感謝)
4.設備工事(配管)・・・給排水、ガス、電気など、建物内部(床、壁、天井)の工事。
5.屋根工事・・・屋根葺き(防水工事、断熱工事)。
6.建具工事・・・外壁部のサッシの取り付け。
7.外壁工事・・・外壁の取り付け(防水工事、断熱工事)。
8.防水工事・・・サッシ周りの取り合い部分や、入り隅、出隅のシール打ち等。
9.設備工事(器具取り付け)・・・厨房設備、衛生器具、照明、空調などの取り付け。
10.家具工事・・・下足箱、収納や内部建具などの取り付け。
11.内装工事・・・床、壁、天井などの仕上げや塗装。
12.雑工事・・・細かい金物や、カーテンレールなどの取り付け。
13.清掃工事・・・工事で汚れた部分の清掃。
14.完成引き渡し・・・設備器具の取り扱い説明や、工事各部の保証書や、瑕疵部分の確認をし鍵を渡す。
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