関西・東海・九州支部 活動ブログ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

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床合板 ~畳からの発想~

 木造住宅において壁は筋違(すじかい)を入れたり、合板を貼ったりすることで耐力壁となり、

地震や台風に抵抗することは良く知られていますが、床も構造的には一役買っているのです。


 壁が鉛直方向の構成に対して床は水平方向に構面を造り、外力に抵抗するのです。

厚さ24mmや28mmの構造用床合板が使われることが多くその施工の方法、張り方があるのです。

通称千鳥貼り(ちどりばり)といわれ、継ぎ目が十の字にならないように貼ると

全体が1枚ものとなり合板がずれにくく、力を発揮するのです。


 これは、屋根面も同じことです。

元を正せば、実は日本の伝統的な畳の敷き方からヒントを得ているのです。

合わせ目が十字になるように畳を敷くと、力が掛かった時にずれやすく、畳自体のもちも良くない。

十字にならないようにT字に敷詰めるとずれにくく、長持ちをする。

美観的にも美しく、実利を伴った方法なのです。


 また、合板が規格品であるかどうかは、ホルムアルデヒドの放散量や材寸等々の記入と

日本農林規格(JAS)の刻印がされ、認定品の確認ができるようになっています。


 現場に行かれた際には、一度注意深く観察して見て下さい。


関西:鉢嶺 民雄



ハウスメーカーの現場確認の現状 その3

ハウスメーカーの現場確認の現状 その3


下記写真は、当会の欠陥住宅予防検査(2×4工法)の上棟検査の模様です。



2×4工法の構造の要(かなめ)は、釘と補強金物です。

この現場は、長さ45㎝ほどの帯状の補強金物がすっぽりと付け忘れていました。



こんな大きな金物なので図面と現場を照らし合わせれば、ひと目で気が付くはずです。

ということは、全くのノーチェックなのです。

大工さんに任せっきりで誰もチェックしていないのです。



現場監督さんと前もって検査の日を決めて、
現場に伺ってもこの有様です。

いくら良い図面を描いても現場でキッチリと施工されなければ
いわゆる「絵に描いた餅」となります。



家づくり・建築というものは、現場確認が最も大事な仕事です。

建築こそ現場第一主義なのです。



「仕事が忙しい」、「現場が沢山あり時間が取れない」というのは理由になりません。



また、現場監督自身の仕事に対する責任感の欠如や
自分のやるべき仕事が分かっていないということを
欠陥住宅予防検査を行っていて毎回痛感しています。



特にハウスメーカーの現場には、第三者検査の必要性を感じています。


関西:鉢嶺 民雄