関西・東海・九州支部 活動ブログ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

違法コンクリートブロック擁壁(土留め壁)

  写真は小規模の分譲地において見かけた擁壁です。

 高さはブロックの段数からして約1.9m。

 建築の法律的には確かに工作物の申請の必要外の擁壁ですが、水抜き穴も無く、控え壁も無いコンクリートブロックの擁壁で造られている状況です。


 この写真は、歩道側のみですが、奥に隣地駐車場との境面にも同じような状況で築造されて、地震が起きた時には倒壊の危険が有り、歩道を歩く人に影響を及ぼす可能性が高いです。また、地震が無いにしても年数が経てば徐々に傾くなり膨らむなり危険をはらんでいます。

 
 地震が有れば自然災害ということで瑕疵や保証はないと考えていると思われますし、無くても10年過ぎれば瑕疵の対象から外れると考えているかと思います。

 地震国日本において、こんな危険な擁壁を施工する業者の感覚を疑います。

東海:神谷 一吉


〇〇様邸 ~日本語まで崩すハウスメーカー~

〇〇様邸 ~日本語まで崩すハウスメーカー~  


 我々が普段あまり使わない言葉に「邸」という語があります。
 家を建てるときに耳や目にする言葉です。

 「邸」という言葉は、広辞苑によりますと、「やしき」とあります。
 更に「やしき」を引くと、「立派な門構えの大きな住宅。邸宅。」と書かれています。
 すなわち邸という言葉には、敬意をこめてその人の家のことを言うのです。

 ところがいつの間にかハウスメーカーが見積書や図面に「〇〇様邸新築工事」という実に妙な言葉を使い始めました。

 これでは、様様と二重敬語になってしまいます。

 「邸」に「様」など付ける必要はないのです。
 正しくは、シンプルに「〇〇邸新築工事」で良いのです。

 今やハウスメーカーが先導し使い始めた間違った日本語を工務店までが真似て同じように使っています。
 大手が使っているので間違いないだろう。
 家づくりも同じですが、日本人が弱いブランド志向です。

 自分自身でしっかりと考え判断しないといけません。

 これっておかしくない?
 間違っていない?と
 惑わされてはいけません。
 おかしいことはおかしいのです。

 自信を持って「〇〇邸新築工事」と日本語を正しく守り遣っていくことが大切です。


関西:鉢嶺 民雄


ハウスメーカーの現場確認の現状 その3

ハウスメーカーの現場確認の現状 その3


下記写真は、当会の欠陥住宅予防検査(2×4工法)の上棟検査の模様です。



2×4工法の構造の要(かなめ)は、釘と補強金物です。

この現場は、長さ45㎝ほどの帯状の補強金物がすっぽりと付け忘れていました。



こんな大きな金物なので図面と現場を照らし合わせれば、ひと目で気が付くはずです。

ということは、全くのノーチェックなのです。

大工さんに任せっきりで誰もチェックしていないのです。



現場監督さんと前もって検査の日を決めて、
現場に伺ってもこの有様です。

いくら良い図面を描いても現場でキッチリと施工されなければ
いわゆる「絵に描いた餅」となります。



家づくり・建築というものは、現場確認が最も大事な仕事です。

建築こそ現場第一主義なのです。



「仕事が忙しい」、「現場が沢山あり時間が取れない」というのは理由になりません。



また、現場監督自身の仕事に対する責任感の欠如や
自分のやるべき仕事が分かっていないということを
欠陥住宅予防検査を行っていて毎回痛感しています。



特にハウスメーカーの現場には、第三者検査の必要性を感じています。


関西:鉢嶺 民雄