関西・東海・九州支部 活動ブログ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

鬼に訊け ~宮大工・西岡常一の遺言~

道具を大切にする。


道具は自分で育て作っていく。



山の南側で育った木は、建物の南側で遣う。

北側で育った木は、北側の材料とする。



棟梁が全責任を取るので、その下で働く職人は、思い切った仕事をしろ。

昔は、失敗すれば棟梁は腹を切った。



現代のコンクリートよりずっと寿命は長く

風雪に耐えて木造建築は千年以上の命を持つ。



今の木造住宅の寿命はたった30年。

合理的なことは考えず、時間が掛かってでも良いから本当の仕事をしろ。

ごまかしではなく、ホンマの仕事をやってもらいたい。



西岡棟梁が最後に残した言葉である。



職人としての技術が要らなくても出来るプレハブ工場化のいえづくり。

わずか2ヶ月ほどで完成する家。

寒い暑い、人間本位で考える家づくり、

家にとっては息が詰まり長生きできない気密化。

日本の家づくりについて今一度立ち止まり、考え直さないといけないのでは

と警鐘を鳴らす西岡棟梁のお言葉であった。



ご興味のある方は、ぜひこのYouTubeをご覧ください。

鬼に訊け -宮大工 西岡常一の遺言-





関西:鉢嶺 民雄


建築家への道 ~建築士であり建築家であること~

建築を学ぶ学生の頃のお話です。

ある日、先生からこんなことを言われた。



一流の建築家になるためには、

・一日一冊の本を読み

・週に一本の映画を観

・月に一度の旅行をする



建築家たるもの常に己を高め研鑽をし、感性を磨かねばならぬ。



更にこうも述べられた。



映画館に行ったならば、最低3回は観なさい。

1回目は、思いっきり楽しんで観る。

2回目は、建築物を集中して観る。

3回目は、色・色合いのみを観る。



昔、映画館は入れ替え制ではなく、

一日でも映画館に居れました。

古き良き時代の話ですね。



建築家とは、建築物のデザイン設計を主に行い、

その監理や関連業務に携わる専門職です。

資格がなくても名乗ることは可能ですが、

実際には建築士の資格を持つ人が多く、

デザイン性や意匠性を重視するプロを示す傾向があります。



建築士とは、国土交通省が認定する国家資格であり、

設計や工事監理を行う専門職です。

建築士であり建築家を目指す若者へ。



イエンゴで現場での実践を積み、己を磨く場に。

イエンゴで一緒に活動しましょう。

関西:鉢嶺 民雄


鎹(かすがい)

建築用語には、ことわざになったものも多くあります。

その中のひとつが、鎹(かすがい)です。

見慣れないこの一文字で「かすがい」と読みます。




「子は、かすがい」の「かすがい」がこの『鎹』なのです。

どういう意味かと言いますと、

子に対する愛情が鎹になって、夫婦の間がなごみ、夫婦の縁がつなぎ保たれる。

また夫婦仲が悪くなろうともそれを繋ぎ止めるのが子(鎹)ということです。

「子は、親の鎹」ともいいます。



それでは、『鎹』とは一体なにか?


木造在来工法の住宅で用いられるコの字型の補強金物で、

両端が釘の先のように尖っている金物のことを言います。

これを木材に金槌で打ち込むことによって、木材同士を繋ぎ止めます。



さて、この鎹が家のどこに使われているのでしょうか。


現在では、主に床下や屋根裏に多く用いられています。

屋根裏の小屋束を繋ぎ止めたり、母屋の接手の緊結に用いたりします。


梁の上に立てる小屋束は、屋根裏の柱のようなもので、

その上下を両サイドから鎹を打ち付けるのです。



欠陥住宅予防検査の上棟検査で、鎹の打ち忘れを見付けることがあります。

床下や屋根裏は完成してからでは、

なかなか見る機会がないので重要な検査となります。

施工中にリアルタイムで行う検査が欠陥住宅予防検査なのです。







関西:鉢嶺 民雄


材のつなぎ目の金属が「鎹」


筋違(すじかい)


家の構造材のひとつで『筋違』というものがあります。




「すじちがい」ではなく、「すじかい」と読みます。

最近では、間違った字『筋交』が使われていることよく目にします。

ハウスメーカーの図面や木材加工専門であるプレカット業者さえ

『筋交』と図面に書いている。



文字・漢字はそれぞれが意味を持っています。

交わるのではなく、違える(たがえる)のです。

それが『筋違』なのです。



パソコンで手軽に漢字変換すると『筋交』の文字が出てくるので

何の疑いもなく使ってしまっているのが現状ではないでしょうか。



「建築大辞典」(彰国社)には、きちっと『筋違』と書かれており、

筋違とは、四辺形に組まれた軸組に対角線状に入れた補強材。

風や地震力などによる水平力に抵抗し、四辺形が菱形に変形するのを防ぐ。

と記されている。



また、建築基準法施行令第45条は、

残念ながら漢字ではなく、ひらがなで『筋かい』と書かれている。

これには何故?と思ってしまう。

建築基準法は、いわゆる専門家が使う法令集なので『筋違』と漢字で

表現してほしいものです。



その施行令45条には、筋違について下記のように記されています。(抜粋)

・圧縮力を負担する筋かいは、厚さ3㎝以上で幅9㎝以上の木材を使用したものと

しなければならない。

・筋かいは、その端部を柱とはりその他横架材との仕口に接近して、

ボルト、かすがい、くぎその他の金物で緊結しなければならない。

・筋かいには、欠き込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするために

やむを得ない場合において、必要な補強を行ったときは、この限りでない。




もう少し日本の木造建築を大切に正確に伝えていってもらいたいものです。








関西:鉢嶺 民雄


斜めの材が「筋違」


危険なブロック塀

 写真は、住宅街を歩いていて目に留まったブロック塀です。

ブロックの段数を数えると・・・・・・14段+基礎。

その高さ、なんと3.2ⅿです。

お隣との境界になぜこんな高い塀が必要だったのでしょうか?

隣家の1階部分が全く見えないほどの高さです。


 ブロック塀について建築基準法を確認しますと、

1.塀の高さは、2.2ⅿ以下とする。
2.壁の厚さは、15㎝(高さ2ⅿ以下の塀にあっては10㎝)以上とする。
3.控壁は長さ3.4m以下ごとに、壁面から高さの1/5以上突き出したものを設ける。
(高さ1.2ⅿ以下の塀は除く)

このいずれも満たしていない、いわゆる違法なブロック塀です。

おまけにブロックにひび割れもあり、傾きもありました。

大変危険です。


 1)~3)については、外見上だけで判断できるものですが、

内部に規定の太さの鉄筋が必要な本数キッチリと入っているのかまでは分かりません。

大きな地震が起こってからでは遅いのです。


 阪神淡路大震災から30年。

ブロック塀の倒壊により被害を受けた方も沢山おられます。

ブロック塀は重量もあり危険なので、地震大国の日本では、

できれば他の材料で塀を造ることをお勧めします。


 行政によっては、道路側に立てられたブロック塀の解体撤去費は、

補助金が出ることがあるようです。

残念ながらこの写真のような隣地との間のブロック塀には適用されないようです。


 このような違法のブロック塀に万が一、

何かあった場合には所有者責任となってしまいます。

気になる方は、一度確認されては如何でしょうか。

関西:鉢嶺 民雄