関東・首都圏 活動ブログ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

工事中の不良施工の3つの原因

 何事の結果には原因があります。
 
 工事中の不良施工にも原因があります。


 
 最低でも工事中には3回のチェックポイントがあるのですが、それを全て見逃してしまうことであとで施工不良が発見されることがありますし、中には施工不良が発見されないまま出来上がった建物に居住してしまうこともあります。
 
 家を建てる方・家を買われる方は今一度ご自身の家についてお考えいただく機会になれば幸甚です。


 今回はその3つの原因についてです。


①職人自らによる未チェック
 間違っていないと思いこんでいる職人も多いようで、自らチェックしていないことがあります。
 また、ミスに気が付いていても「このくらいはいいだろう」という甘い認識で進めている場合もあります。
 まずここでミスに気が付けば修正も小さくて済むのですが、スルーされてしまうことがあります。


②現場監督の未チェック
 このことも当会ブログでたびたび指摘していますが、現場監督が現場を厳しくチェックできていないことです。
 多くの現場監督は工事の段取りが主な仕事のようになっていることも問題の1つかと思われます。


③工事監理者による現場の未チェック
 各現場ごとに「工事監理者」という現場チェックの責任者が決まっています。この「工事監理者」は確認申請書に名前が記載されています。
 ですが、「工事監理者」が自ら現場をチェックしていることは少ないのが実情のようですので、この段階でもスルーされているのが現状です。



 このようにミスが発見されなければ、そのまま工事は進んで完成してしまいます。

 ですので建て主の方たちは、「工事中のチェック情報」を必ずもらってください。
 「誰が」「どのように」チェックしたのか、工事写真やチェックシートなどの「工事中のチェック情報」をもらってください。完成してしまうと骨組みなどは見ることがほとんどできませんので。

 施工業者を信じることは大事ですが、信じるに値する情報を得ることで安心を担保できると思いますので、遠慮なく申し出て自分自身を守ってください。
 


関東:大垣 康行