日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

これからは「完成保証」が必須です


 新潟県の住宅メーカーの倒産がニュースで流れました。


契約した方々のコメントがありましたが、

お金は払ったけど工事が進んでいない方や

工事途中で引渡し前の方など悲惨な状況が伝えられました。



 家づくりのトラブルのなかでも、

施主にとって起きて欲しくない大きな問題が施工会社の倒産といえます。

過去にも大手ハウスメーカーの倒産が起きましたが、

その時にも契約金として2000万円を支払い、

今までの家を解体し終わった段階での倒産となってしまった方がいました。

大金を払ったあげく、戻る家も無くなってしまったという悲劇の実例です。



 施工会社が倒産する、ということは借金や工事費の未払いなど多くの負債を抱えており、

債務返済の決定まで多くの時間がかかるだけでなく、

施主側に過払い費用が戻ることはまずありません。

工事途中の家も放置状態となり、解決まで手も足も出せない状態になります。

状況にもよりますが、すでに出来上がった部分も劣化が進んでしまい、

いざ工事再開となってもやり直し部分が増えることで

工事予算が大幅に増えてしまうことになることもあります。



 対応策として、

施工請負契約と一緒に「完成保証」を付けることをお勧めしています。

多くの施工会社では完成保証制度を導入していても

実際には使われていないことも多くあります。

しかし、もしもの時のことを考え「完成保証」を付けておけば

少なくとも解決に向けて話が進められると思います。

施工会社に対し「完成保証」がどうなっているのか、どのような保証なのか、

よく確認したうえで請負契約を締結するようにしてください。



 家づくり援護会では、推奨業者としての審査基準にも完成保証の対応を含めていると同時に、

全棟完成保証を付けることを進めています。

施工会社によっては「うちは大丈夫だ」とか「当社を信じていないのか」

ということを言われることもあるようですが、

そのようなことを言う施工業者とは契約しないようにしてください。

真摯に施主の不安と向き合ってくれる、そんな施工業者を選ぶようにしてください。


理事長:植田 達二


どう備えるかを考えましょう

6月に入りました。

6月は梅雨入り、出水など注意が必要な時期です。




また、6月1日は気象記念日で

今年で制定されてから150周年になるそうです。



災害は、“天気が荒れてきてから”では間に合わないことが多くあります。

気象記念日は、災害をもう一度見つめ直し、

これからの災害に「どう備えるか」を考えるいい機会かもしれません。



近年、気象に起因する災害は、「想定を超える」ものが増えてきていると思われます。

日々これら気象情報に気をつけ、ただしく行動できるようにしたいものです。


北海道:今井 正樹


無料相談会での事例


無料相談会では家づくりに関する様々な内容のご相談をいただいております。




例えば、
・工事中の第三者検査の必要性
・自分で工事中の現場を観るときのポイント
・建設会社との契約締結までにすべきこと
・建設会社との設計打ち合わせで気を付けること
・間取りづくりを始める際にやっておくこと
・家の不具合をどう解決すれば良いか
・建て売り住宅を購入する際の注意点
・中古住宅を購入予定だか、建物以外に何か観ておくことはあるか
・家づくり援護会の建築主サポート内容
などです。



東京に事務局はありますが、千葉・埼玉・栃木・茨城でも相談会を開催しています(予約制)。

場所は町のコミュニティーセンターなどです。

https://www.iengo.ne.jp/side/news.htm

お気軽にお申し込みください。



関東:石川 克茂



鎹(かすがい)

建築用語には、ことわざになったものも多くあります。

その中のひとつが、鎹(かすがい)です。

見慣れないこの一文字で「かすがい」と読みます。




「子は、かすがい」の「かすがい」がこの『鎹』なのです。

どういう意味かと言いますと、

子に対する愛情が鎹になって、夫婦の間がなごみ、夫婦の縁がつなぎ保たれる。

また夫婦仲が悪くなろうともそれを繋ぎ止めるのが子(鎹)ということです。

「子は、親の鎹」ともいいます。



それでは、『鎹』とは一体なにか?


木造在来工法の住宅で用いられるコの字型の補強金物で、

両端が釘の先のように尖っている金物のことを言います。

これを木材に金槌で打ち込むことによって、木材同士を繋ぎ止めます。



さて、この鎹が家のどこに使われているのでしょうか。


現在では、主に床下や屋根裏に多く用いられています。

屋根裏の小屋束を繋ぎ止めたり、母屋の接手の緊結に用いたりします。


梁の上に立てる小屋束は、屋根裏の柱のようなもので、

その上下を両サイドから鎹を打ち付けるのです。



欠陥住宅予防検査の上棟検査で、鎹の打ち忘れを見付けることがあります。

床下や屋根裏は完成してからでは、

なかなか見る機会がないので重要な検査となります。

施工中にリアルタイムで行う検査が欠陥住宅予防検査なのです。







関西:鉢嶺 民雄


材のつなぎ目の金属が「鎹」


築10年を迎える前にチェックが必須です

 新築から10年目を迎えようとしている方に住宅診断のすすめです。

 これは、構造偽装事件を発端に消費者保護を目的として法制化した

「瑕疵担保履行法」で保証期間を定められたことによります。


 構造躯体や雨漏りに対し、売主又は施工会社は10年間の保証を付けること、

またその担保として保険か供託を掛けることが義務化されています。


 大手ハウスメーカーを除き、ほとんどの売主又は施工会社は保険をかけていると思います。

引渡の時に瑕疵担保保険について説明があったと思いますが、

うっかりしていると知らないうちに10年が過ぎ、

過ぎてから不具合を発見しても保険が切れていることになりかねません。


 売主又は施工会社から積極的に点検することはまずありません。

ハウスメーカーでは、点検して有料のメンテナンス工事を行うことで

「さらに10年の延長保証をします」という、

営業の機会にしているところはあるようですが、

本当に必要なメンテナンス工事であるかは解りません。



 イエンゴでは、そんなことのないように「築10年目点検」をお勧めしています。

建物全体を専門家がチェックすることで、

何かあれば保証期間内に売主又は施工会社に通知することができます。

保険は、他の保険と同様に保険期間を1日でも過ぎてしまえば免責です。

10年目に入った方はお気軽にご相談ください。


理事長:植田 達二