関東・首都圏 活動ブログ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

基礎工事検査の重要性


 建築工事中の第三者検査の重要性を我々はお伝えしていますが、後からでは見えなくなってしまう部分の検査は非常に大切です。

 家づくりのスタートとなる基礎工事は、コンクリートを打ってしまうとそのなかの鉄筋の状態は後からでは全く見えなくなってしまいますので、必ずコンクリートを打つ前に見なければなりません。



 ポイントは、鉄筋が設計通りの物が適正に入っているかどうか、鉄筋の周りのコンクリートの被り厚さが取れているか、などをチェックします。

 基礎の中央に鉄筋が入っていることが基本となり、鉄筋と枠の間がコンクリートの被り厚さとなります。

 基礎は、鉄筋とコンクリートが一体となって適正な強度が確保されますので、この被り厚さは非常に重要です。



 この被り厚さをきちんと取らずに、適当に工事がされた場合は後々問題が発生してしまいます。

 出来上がったばかりのときはきれいな状態で、見た目では何も問題が無いように見えてしまいます。

 しかし、年数が経ってくると、コンクリートが薄い部分では鉄筋の錆が発生し、コンクリートを壊してしまうことも起こります。

 写真のように壊れた基礎を見てもらえれば、実は鉄筋がすぐ下にあったことが解ります。



 このように、後から解るようではどうしようもありません。
コンクリートを打つ前に、見えなくなる前に検査を入れることが大切であることがお解り頂けると思います。

理事長:植田 達二


施工中の第三者検査(欠陥住宅予防検査)を入れる時の注意点

 施工中の検査として、イエンゴに欠陥住宅予防検査を依頼される方が増えていますが、施工中の第三者検査を入れるときの注意点がいくつかあります。




 先般も、「第三者検査を入れようとしたら施工会社に拒否されてしまったのだが、どうにか検査を入れることはできないか」という相談がありました。

 聞いてみると請負契約はすでに完了しており、着工が近づいてきたため第三者検査のことを伝えた時に拒否されてしまったようです。


 施工現場は、施工会社により安全に契約した性能、品質を守り、期日内に完成することを目的に管理されています。ですから第三者が勝手に検査することはもちろんの事、立入ることも施工者の許可が無ければできませんので、施工会社の協力がなければイエンゴでも検査に入ることはできません。


 そのため、後から拒否されないように請負契約の締結前に第三者検査について、以下の了解を取っておくことが重要です。できれば契約書の特記や覚書など書面に残しておくと安心です。

① 第三者検査を入れることの了承
② 検査に必要な図面、工程表の提出
③ 検査時の立会い
④ 指摘事項への対応(修正工事への対応)

 第三者検査を拒否する会社というのはどんな理由があるのか解りませんが、誰に見られても問題無い施工をしているのであれば、堂々と検査を受けることもできると思います。

 施主の安心のために、第三者検査にきちんと対応する施工会社を選ぶことも選択肢のひとつと言えるのではないでしょうか。

理事長:植田 達二


耐力壁の耐力低下の原因です!

 上記写真は、近年木造住宅の耐力壁(耐震壁)として使用されている面材での、釘打ちのめり込み状況です。

 使用する面材により、建材メーカー等のめり込みの規定があります。

 その数値を逸脱してしまいますと、設計で決めている耐力が確保できなくなってしまうことがあります。

 例えば耐震等級3を設計していても、満たさなくなってしまうこともありえます。

 現場監督がしっかりチェックしないと、そのまま進んでしまい、見えなくなってしまいます。

 構造耐力上の重要な部位になりますので、十分ご注意ください。

関東:大垣 康行


下請け業者に任せきりが原因での工事ミス

ビスの打ち忘れ

家づくり援護会で実施している工事中の検査
「欠陥住宅予防検査」の上棟後確認での指摘事項です。

金物のビス打ちの忘れです。

現場監督は金物を通常確認しますが、
会社によっては職人に任せ切りで確認していない場合があります。

写真のようではせっかく取り付けた金物も、
地震時の引き抜きに耐える意味を成していません。

現場を見る目を増やして、ミスが無いよう当会のような第三者検査が必要です。

関東:石川 克茂


金物の意味がない!

釘の打ち忘れ

家づくり援護会で行っている工事中の検査「欠陥住宅予防検査」、上棟後確認での指摘事項です。

金物の釘打ちの忘れ4本です。

現場監督さんも柱などの金物は通常確認しますが、写真のような屋根の軒先金物までしっかり確認していない場合があります。
写真の金物は風圧による屋根のあおりに耐えるための重要な金物です。
下請け業者に任せきりにしている施工業者だからと予想します。

関東:石川 克茂