関東・首都圏 活動ブログ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

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9月1日は防災の日

 いつどこで地震が起きてもおかしくない「地震大国・日本」。

 今後30年以内に首都圏直下地震が70%、南海トラフ地震は70~80%の確率とも言われています。



 9/1は防災の日。

 1981年6月以前の建物が旧耐震基準で危険として、行政では「耐震補強工事が必要」と言うのですが、当会へ届く相談では費用面で困難と仰る方が多いです。

 しかし何も対策をしない訳にはいきません。

 近年発生した地震でけがをした原因を調べると、約30~50%の人が、家具類の転倒・落下・移動によるものです。


 家づくり援護会では地震災害対策についてのご相談も受け付けております。

 「何からどう備えれば良いか?」「どこで寝るのが一番良い?」などの相談や、家具転倒防止策や建物内の避難径路の確保方法アドバイスなどを、住宅に精通した建築士がサポートしています。

 備えたくても備えられないとお悩みの方は家づくり援護会事務局までご連絡ください。


NPO法人家づくり援護会 事務局
東京都渋谷区千駄ヶ谷4ー3ー1ー602
 TEL:03-3405-1358
 e-mail:info@iengo.ne.jp



基礎工事検査の重要性


 建築工事中の第三者検査の重要性を我々はお伝えしていますが、後からでは見えなくなってしまう部分の検査は非常に大切です。

 家づくりのスタートとなる基礎工事は、コンクリートを打ってしまうとそのなかの鉄筋の状態は後からでは全く見えなくなってしまいますので、必ずコンクリートを打つ前に見なければなりません。



 ポイントは、鉄筋が設計通りの物が適正に入っているかどうか、鉄筋の周りのコンクリートの被り厚さが取れているか、などをチェックします。

 基礎の中央に鉄筋が入っていることが基本となり、鉄筋と枠の間がコンクリートの被り厚さとなります。

 基礎は、鉄筋とコンクリートが一体となって適正な強度が確保されますので、この被り厚さは非常に重要です。



 この被り厚さをきちんと取らずに、適当に工事がされた場合は後々問題が発生してしまいます。

 出来上がったばかりのときはきれいな状態で、見た目では何も問題が無いように見えてしまいます。

 しかし、年数が経ってくると、コンクリートが薄い部分では鉄筋の錆が発生し、コンクリートを壊してしまうことも起こります。

 写真のように壊れた基礎を見てもらえれば、実は鉄筋がすぐ下にあったことが解ります。



 このように、後から解るようではどうしようもありません。
コンクリートを打つ前に、見えなくなる前に検査を入れることが大切であることがお解り頂けると思います。

理事長:植田 達二


設計図面の活用法



 “言った、言わない” “説明した、聞いていない”



 当会によせられたトラブル事例の中に、

“言った、言わない”、“説明した、聞いていない”

という内容を含んだ事例があります。

打ち合わせ議事録や設計図面などに記録が無いため、

双方の記憶でしかわからない事例です。

 このような場合、第三者でも判断がしにくく、

業者側の言い分のほうが通ってしまうことが多いように感じます。



 そうならないために、設計図面を活用することをお勧めします。

新築工事でも改修(リフォーム)工事でも基本的に設計図面は作成します。

打ち合わせ議事録は業者により、作成したりしなかったりします。

ですので、その設計図面にできるだけ盛り込んでしまい、

後でもめないように、図でも文言でもわかるよう記載しておきます。

特に施主のほうで気にしている点、こだわりの点などは必須です。

 また、「設計図面は専門的すぎて、よくわからない」と施主の声があります。

設計図面のすべてを理解できなくても良いので、

気にしている点、こだわりの点などについて記載してあることは

確認しておいてください。



 工事が進んで、できてしまってからですと、後戻りはしにくいです。

ですので、双方齟齬の無いよう、十分に確認しながら、

記録を残して、トラブルにならないようにしてほしいと願います。


関東:大垣 康行


請負契約時には工期にも注意

 猛暑というより酷暑となっている夏。

 家づくりの現場の職人さんは、汗だくで暑さに耐えながら、建築主さんのために日々作業してくださっています。


 最近は空調服など暑さをしのぐものもありますが、この酷暑ですと昔に比べ頻繁に休憩しながら作業しないと倒れてしまいますし、作業効率も他の季節より落ちてしまうと思います。

 しかしそれを考慮せず超短工期で契約し、そのために職人さんを酷使しているハウスメーカーの現場を見受けます。


 当会への相談でも「夜遅くまで作業している」「日曜日も工事している」など聞きます。
また建て主さんが工期の遅れが気になり伝えると、「職人の人数を多く入れて間に合わせる」といういわゆる突貫工事を平気で宣言したハウスメーカーもいるようです。


 そういった工程にしているハウスメーカーに限って、「建物完成日」の翌日に「引き渡し日」にしていることが多いです。施主検査(内覧会)と手直し工事期間を確保していていない訳です。


 超短工期で安心納得の家づくりは困難です。


関東:石川 克茂


施工中の第三者検査(欠陥住宅予防検査)を入れる時の注意点

 施工中の検査として、イエンゴに欠陥住宅予防検査を依頼される方が増えていますが、施工中の第三者検査を入れるときの注意点がいくつかあります。




 先般も、「第三者検査を入れようとしたら施工会社に拒否されてしまったのだが、どうにか検査を入れることはできないか」という相談がありました。

 聞いてみると請負契約はすでに完了しており、着工が近づいてきたため第三者検査のことを伝えた時に拒否されてしまったようです。


 施工現場は、施工会社により安全に契約した性能、品質を守り、期日内に完成することを目的に管理されています。ですから第三者が勝手に検査することはもちろんの事、立入ることも施工者の許可が無ければできませんので、施工会社の協力がなければイエンゴでも検査に入ることはできません。


 そのため、後から拒否されないように請負契約の締結前に第三者検査について、以下の了解を取っておくことが重要です。できれば契約書の特記や覚書など書面に残しておくと安心です。

① 第三者検査を入れることの了承
② 検査に必要な図面、工程表の提出
③ 検査時の立会い
④ 指摘事項への対応(修正工事への対応)

 第三者検査を拒否する会社というのはどんな理由があるのか解りませんが、誰に見られても問題無い施工をしているのであれば、堂々と検査を受けることもできると思います。

 施主の安心のために、第三者検査にきちんと対応する施工会社を選ぶことも選択肢のひとつと言えるのではないでしょうか。

理事長:植田 達二