日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

宇都宮市まちづくりセンター にチラシ等があります。

栃木県宇都宮市の

「宇都宮市まちづくりセンター まちぴあ」に、

当会著の本と、無料相談会のチラシ、活動内容パンフレットを

置いていただいております。

ぜひご覧ください。



まちぴあは、市民による「まちづくり活動」がより活性化されるよう、

ボランティア団体・NPO法人といった

市民活動団体の連携促進や組織基盤強化など、

多様な支援を行うまちづくり活動の拠点施設です。


当会は「まちぴあ」の登録団体です。






地域の「職人技」と「素材」が、家づくりをまた元気にする

当会では「地域の、地域による、地域のための家づくり文化」を

「地の家」と呼んでいます。



姉妹NPOの地の家ネットでは、活動趣旨である「地の家八誓」に賛同する地域工務店により、

「地の家」を全国的な活動として展開しています。



地の家の復権は現在の家づくりが抱える矛盾の多くを解決するばかりでなく、

地方の自立や活性化を促す大きな力になると考えています。

言わば、「ハウスメーカーの家」とは異なる住まいづくりです。

家づくりの仕方がハウスメーカーとは異なるのはもちろんのこと、

地域工務店としての心意気や誠実さは、

その地域に暮らす方の住環境の安心に繋がると考えます。


私たちは地の家の復権を目指した活動を「地の家運動」と称し、

各地の工匠が連帯してその推進に取り組んでいます。



埼玉県でも当会が推奨している建設会社がありますので、

お話をお聞きに行っても良いかと思います。

地域と共に存在している建設会社で、真面目で確かな家づくりが特徴です。



また当会ではさいたま市や久喜市で相談会を実施しています。どうぞご利用ください。





関東:石川 克茂


25年前に建てた友人の家

 先日久しぶりに友人宅へ伺いました。
 
 その友人は子供のころから畳の上で育ってきたので畳以外の上での生活は考えられないと言って全室和室の家を建てたのです。


 奥様も同じような環境で育ったらしくお二人の意見は一致していました。

 その当時でも、もう和室だけの家を建てる人はほとんどいなくなっていました。

 25年の歳月が経っているのに数年しか経っていないようなきれいな状態を保っていました。

 日頃の手入れが良いのかと思ったのですが、共働きで手入れもしていないとの事。

 ただ畳は表替えをしたそうです。


 考えてみると、当時の棟梁が久しぶりに和風の家を手掛ける事に情熱を燃やしていたのを思い出しました。

 和室を作るには大工の技術がそのまま反映します。

 長押や鴨居、廻り縁と言った横物に寸分の隙間なく納まっていました。

 たぶんそう言うところが建物を若く見せているのでしょう。

 和室がどんどん減って大工の技術も受け継がれなくなる事はしょうがない事なのでしょう。

 宮大工、数寄屋大工と並んで家大工がいてそれぞれの技術があります。

 今も専用分野でその技術を持った人達はいます。

 ただ、その技術は今の住宅にはかならずしも必要でなくなったのかもしれません。

 現在の住宅の老化が早いのは求められなくなった大工の技術にも一因があるのかなと考えさせられる訪問でした。

東北:関 清


地元の素材でこだわりの家づくりを

 家づくりにも地産地消を取り入れているケースがあります。

 一番わかりやすいのは、「木材」ではないかと。


 日本の国土の約67%が森林と言われています。

 それぞれの地元の木材を使用しての家づくりは良く聞くかと思います。

 家の骨組に使用するのはもちろん、窓や窓枠、建具、床、壁、天井、棚板、カウンター、家具等々木材はあらゆるところで使われています。


 また木材だけでなく、古来より陶器、紙、漆、織物、鉄器等々地場で作られているものも多数あります。

 最近は目にするのが少なくなっていますが、それぞれのものは家づくりでも使われているのです。

 意外と知らないところに地場の産業があったりしますよ。

 ぜひ調べてみてください。


 家づくりにおいて地元の素材を活用することは、地元の資源を活かすことになり、地域経済を支えることができます。


 また、家を新築やリフォーム・リノベーションするのであれば、その際のこだわりの部位を地場のもの使ってみることもお薦めします。きっと愛着が持てる家になるでしょう。


 よき家づくりを。





関東:大垣 康行


大工の減少危機

 大工の減少、高齢化が加速しています。
 5年ごとに実施される国勢調査で、10年で10万人以上減ったとのこと。

 また大工人口自体が減少している中、65歳以上に占める大工の割合は増したそうです。

 大工あっての家づくりだと思います。
 住み手のいろんな注文を受けて仕上げる高度な技術が要求されます。


 その技術は人を通じて伝承されることから独特の徒弟制度が生まれ、精進を重ねる職人気質や手抜きを嫌う職業倫理が培われてきました。

 そういう大工が手仕事で造る家が持つ豊かさに気付けば、大工の減少がどれだけ痛手か分かります。
 工場生産の家が氾濫する時代ですが、大工が手仕事で造る家づくりを実践する地域工務店の存在は残さなければならないと考えます。


 当会は匠文化の再評価をすべく、姉妹NPOの地の家ネットと地の家運動を進めています。

関東:石川 克茂