日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

大工の減少危機

 大工の減少、高齢化が加速しています。
 5年ごとに実施される国勢調査で、10年で10万人以上減ったとのこと。

 また大工人口自体が減少している中、65歳以上に占める大工の割合は増したそうです。

 大工あっての家づくりだと思います。
 住み手のいろんな注文を受けて仕上げる高度な技術が要求されます。


 その技術は人を通じて伝承されることから独特の徒弟制度が生まれ、精進を重ねる職人気質や手抜きを嫌う職業倫理が培われてきました。

 そういう大工が手仕事で造る家が持つ豊かさに気付けば、大工の減少がどれだけ痛手か分かります。
 工場生産の家が氾濫する時代ですが、大工が手仕事で造る家づくりを実践する地域工務店の存在は残さなければならないと考えます。


 当会は匠文化の再評価をすべく、姉妹NPOの地の家ネットと地の家運動を進めています。

関東:石川 克茂


イエンゴアワード2019

受賞者による研究発表会の様子


NPO法人家づくり援護会では住み手と造り手の共感から造り出される家づくりの素晴らしさを評価し表彰する「イエンゴアワード2019」の「地の家金賞」表彰式を開催しました。

今回の第8回受賞は、
アクトホーム株式会社(静岡県島田市)
株式会社コスモ(愛知県豊明市)
株式会社建築工房高松銘木店(大阪府堺市)
株式会社江田建設(北海道小樽市)
の4新築プロジェクトが選ばれました。

当日お越しいただいた新建ハウジングさんの記事です。
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地の家


 昔から日本で行われてきた地域の地域による地域のための家づくり文化を、私たちは「地の家」と呼び、この家づくり文化の復権を目指しております。

 昔から地域の工匠たちは地場で産出する材を使い、気候風土に適した工法やデザインを工夫し、また家づくりを支える地場産業の発展を促して地域の繁栄に大きな役割を果たしてきました。
 
この「地の家」の復権は現在の家づくりが抱える矛盾の多くを解決するばかりでなく、地方の自立や活性化を促す大きな力になると考えています。

 私たちは優れた地域施工業者のネットワーク「NPO法人地の家ネット」と連帯してその推進に取り組んでいます。

関東:石川 克茂


大正建築に触れてみよう

山本亭サイトより


伝統的な書院造りと洋風建築を複合した和洋折衷の建物と、和風庭園が素敵です。
東京近郊にお住まいの方はぜひ行ってみてください。
葛飾柴又帝釈天のすぐ近くです。

山本亭

休館日は第3火曜日ですので、休日のお出かけにいかがでしょうか。


関東:石川 克茂


工芸を暮らしに


日本の伝統文化、それを支える伝統技術、これからも残すべき、伝えるべきものがあるのではないでしょうか。

地域の伝統工芸もそのひとつ。

関東の窯場のひとつに益子焼があります。飾り気のない素朴な色合いで、毎日の生活で使われる茶碗や皿といった生活に密着した陶器です。
陶器は「土もの」と呼ばれ、力強く、温かみのある印象があります。
こういった焼物産地の陶器を住まいの洗面ボウルにすることも魅力的です。

伝統工芸を暮らしに取り入れる。

家づくりで地域文化や産業と係わり、貢献することはいかがでしょうか。

関東:石川 克茂