日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

内覧時のサポートもあります!

新築注文住宅でも建売住宅でも、

引渡し前に「施主による建物の完了検査(確認)」

いわゆる「内覧」というイベントがあります。



 これは引渡しを受ける前に建物の仕上げ完成状態を目視確認し、

仕上がり状況・設備の据え付け状況・窓やドアの開閉状況・

依頼していた通りの造りになっているかどうかなどを施主の目で診て、

気になる点や箇所を必要あれば引渡し日までに補修してもらうためのものです。



 仕上がり状況としては、気になる傷や汚れも伝えることになります。

このタイミングに建設会社に伝えないと補修してもらえなくなる可能性があります。

もし引渡し後に見つけても、引渡し前の傷なのか、

施主や引っ越し業者が付けた傷なのか、断定出来なくなるからです。



 また内覧当日は建設会社より、設備などの使い方説明も受けることになります。

そこに時間を掛けてしまうと、じっくり仕上がり状況を確認する余裕がなくなります。


 そんな施主の皆さんを見聞きした当会では、

「施主完成検査同行検査」という建築主サポートをしています。


 施主の方が建設会社と内覧確認をしている間に、

当会のペースで建物仕上がり状況を確認して、

最後に施主の方と建設会社に気になった点を伝えるものです。


 当会と施主の両者の気になった点を引渡しまでに補修してもらい、

補修が完了したら引渡しを受け、最終金を支払う訳です。


 また補修期間確保も考えると、内覧は引渡し日1週間以上前に実施が良いでしょう。

関東:石川 克茂


築10年を迎える前にチェックが必須です

 新築から10年目を迎えようとしている方に住宅診断のすすめです。

 これは、構造偽装事件を発端に消費者保護を目的として法制化した

「瑕疵担保履行法」で保証期間を定められたことによります。


 構造躯体や雨漏りに対し、売主又は施工会社は10年間の保証を付けること、

またその担保として保険か供託を掛けることが義務化されています。


 大手ハウスメーカーを除き、ほとんどの売主又は施工会社は保険をかけていると思います。

引渡の時に瑕疵担保保険について説明があったと思いますが、

うっかりしていると知らないうちに10年が過ぎ、

過ぎてから不具合を発見しても保険が切れていることになりかねません。


 売主又は施工会社から積極的に点検することはまずありません。

ハウスメーカーでは、点検して有料のメンテナンス工事を行うことで

「さらに10年の延長保証をします」という、

営業の機会にしているところはあるようですが、

本当に必要なメンテナンス工事であるかは解りません。



 イエンゴでは、そんなことのないように「築10年目点検」をお勧めしています。

建物全体を専門家がチェックすることで、

何かあれば保証期間内に売主又は施工会社に通知することができます。

保険は、他の保険と同様に保険期間を1日でも過ぎてしまえば免責です。

10年目に入った方はお気軽にご相談ください。


理事長:植田 達二


リフォームでも建築士に相談を

 断熱リフォームに関する相談がありました。


 昭和後期の建物のようですので、築30年以上経っています。

 
 家にカビが発生するそうで、複数業者に対策を相談して、工事の見積もりを取ったところ、

金額はほぼ同じくらいだったそうですが、工事の内容が大きく違っていたそうです。


 一社は窓を二重サッシにする提案、もう一社は壁・天井の断熱材を強化する提案だそうです。


 このように設計思想が違えば工事内容も変わってきます。

 この場合どちらの方法が良いのか?

 業者側でどのような判断で提案したかはわかりませんが、
 
 現建物がどのような状況なのか調査・分析してから判断します。


 施主としては困ってしまいますよね。どちらが良いのか。


 リフォームとはいえ、工事前には、必ず現況の状態を確認してください。

 できれば経験のある建築士等に相談することをお薦めします。


 お近くに専門家がいない場合であれば、家づくり援護会でもリフォーム相談を行っています。
 詳しくは事務局までご相談ください。


関東:大垣 康行


建売住宅は外周りもチェック!

 建売住宅を購入する際に、どうしても建物の内部のことばかり気になってしまいますが、外周りもしっかり売り主から説明を受け、図面やパンフレットと相違がないか確認する必要があります。



 どこに境界杭があるのか、ブロックフェンスはどの位置なのか、自分の敷地内にある所有物なのかなど、理解しておかなければなりません。


 当会では「建売住宅購入診断」という、建売住宅購入時の内覧に同行して確認する診断がありますが、その際に依頼者さんに聴取すると、境界線など理解していない方が多いです。


 実際に過去の診断で、隣の建売住宅の所有物として図面やパンフレットに図示されているブロックが、依頼者の敷地内に造られてあったことがありました。


 ブロックの厚み分、エアコン室外機を置く敷地スペースが狭くなりますし、もし隣の住人がパンフレット通りと理解していたら、将来トラブルになる可能性もあります。


 内覧時にご自分で確認する余裕が無いようでしたら、当会の建売住宅購入診断をおすすめ致します。

 詳しくは事務局までご相談ください。


関東:石川 克茂



老朽化したマンションの諸問題

建築資材の高騰の影響で住宅の新築が減少し、

今後は、戸建て、マンションともリフォームの物件が増えていくと思われます。


特に、老朽化したマンションの管理、修繕、建て替え、住民の立ち退き等、

緒問題が指摘されています。



管理に関して法的な動きがあります。

マンションの管理方法を定める区分所有法などの改正です。

例えば、現在建て替える場合には集会(総会)で5分の4の賛成が必要ですが、

高齢化などの問題で、必要な賛成を得るのがむずかしくなっていると言います。

解決案として一つは、必要な賛成数を現状の5分の4から4分の3、あるいは3分の2に引き下げる案など出ています。



今後、マンションについていろいろな動きが出てくると思われます。



家づくり援護会ではマンション物件の検査をしております。

ぜひ、マンションの新築、中古検査をご利用して

安心な住まいを確保して欲しいと思います。


北海道:今井 正樹