日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

造成地でも地中に何があるかはわからない

 現在、住宅地となっている造成地でも、

地中に障害物などが入っていることがあります。



 周辺を見渡しても、ビルなどは無く住宅ばかり。

しかし、過去には工場があったそうです。


 要は、工場の跡地が住宅地になったとのこと。



 この住宅地で、家を建て替えようとして、地盤調査をしたら、地中障害物だらけ。

これでは地盤調査ができないため、地中障害物を撤去しようと、土を掘ることに。

掘っても掘っても地中障害物だらけ。

どうやら、元の工場の廃棄物や廃材などが、造成工事前に埋められていたようです。



 このように一見閑静な住宅地でも、過去にどのような建物があったのか無かったのか等々、

登記簿謄本や古い地図などで履歴を調べておくことも重要です。


 土地を購入してからでは、大変なことになるかもしれません。十分ご注意ください。


関東:大垣 康行


リフォームでも建築士に相談を

 断熱リフォームに関する相談がありました。


 昭和後期の建物のようですので、築30年以上経っています。

 
 家にカビが発生するそうで、複数業者に対策を相談して、工事の見積もりを取ったところ、

金額はほぼ同じくらいだったそうですが、工事の内容が大きく違っていたそうです。


 一社は窓を二重サッシにする提案、もう一社は壁・天井の断熱材を強化する提案だそうです。


 このように設計思想が違えば工事内容も変わってきます。

 この場合どちらの方法が良いのか?

 業者側でどのような判断で提案したかはわかりませんが、
 
 現建物がどのような状況なのか調査・分析してから判断します。


 施主としては困ってしまいますよね。どちらが良いのか。


 リフォームとはいえ、工事前には、必ず現況の状態を確認してください。

 できれば経験のある建築士等に相談することをお薦めします。


 お近くに専門家がいない場合であれば、家づくり援護会でもリフォーム相談を行っています。
 詳しくは事務局までご相談ください。


関東:大垣 康行


相談会を経て

 先日も公共の場にて無料相談会を実施し、いろんなご相談を頂きました。





 これまでに家づくりのご相談者に接してきたことを思い起こしますと、家づくりに対して、
・不安を持ちながら進めている
・矛盾が生じている
・自分の納得ペースで進んでいない
・調べても良し悪しの判断がつかない
・相談するところがない
という思いを抱いている方が多いです。


 上記が解消されることが、家づくりの幸せに細やかながら繋がると感じます。


 時代で家づくり環境は変われど、情報弱者として不利益を被りがちなに建て主さんの家づくりの不安や迷いを支え、家づくりの不幸を未然に防ぐサポート(=援護)をする活動内容は変わりません。


 また、過去の活動により判明した家づくりの実際問題や相談は、行政と民間ではサポート出来ていない(出来ない)ことも多く、NPOである家づくり援護会だから携われることが多いです。


 家づくりに携わる専門技術者の立場から、ご相談者や建て主さんに援護の手を差し伸べるのが当会の社会的責務ではないかと考え、当会建築士の共通理念として活動しています。




請負契約時には工期にも注意

 猛暑というより酷暑となっている夏。

 家づくりの現場の職人さんは、汗だくで暑さに耐えながら、建築主さんのために日々作業してくださっています。


 最近は空調服など暑さをしのぐものもありますが、この酷暑ですと昔に比べ頻繁に休憩しながら作業しないと倒れてしまいますし、作業効率も他の季節より落ちてしまうと思います。

 しかしそれを考慮せず超短工期で契約し、そのために職人さんを酷使しているハウスメーカーの現場を見受けます。


 当会への相談でも「夜遅くまで作業している」「日曜日も工事している」など聞きます。
また建て主さんが工期の遅れが気になり伝えると、「職人の人数を多く入れて間に合わせる」といういわゆる突貫工事を平気で宣言したハウスメーカーもいるようです。


 そういった工程にしているハウスメーカーに限って、「建物完成日」の翌日に「引き渡し日」にしていることが多いです。施主検査(内覧会)と手直し工事期間を確保していていない訳です。


 超短工期で安心納得の家づくりは困難です。


関東:石川 克茂


工事途中の倒産に備えて

 ここ最近、事務局に工事施工業者の倒産に伴う相談が、複数件届いています。やりきれない気持ちになります。

 統計をみても建設業の倒産件数は、高い水準で推移しているようです。

 
 工事途中に倒産してしまいますと、一つの方法として他の会社に再依頼して進めていくようになりますが、費用の問題が発生します。

 多くの場合は工事進捗状況より多額の支払いをしていることです。中には、工事初期段階で6割~8割を支払い済ということもありました。これでは次の工事に回す費用がなくなってしまいます。

 ですので、請負契約時には支払い回数・支払い金額をよく確認して、工事進捗より過払いの無いようにしていただきたいです。



 当会では新築やリフォーム時に、業者が倒産などの理由で建築主から請負った住宅の工事を継続できなくなった場合、建築主に負担をかけずに残工事を完成し引渡すための金銭的な保証を担保する制度として、イエンゴ完成保証制度を勧めています。

 「イエンゴ完成保証制度」は、「消費者保護」を目的として設立された姉妹NPOの「NPO法人イエンゴ保証機構」で運営されており、また、保証機構に加入する全請負者が連帯して保証債務の責任を負うという特徴があります。 

 一人でも多くの方々の「家を建てる権利」が守られることを切に願います。

関東:大垣 康行