日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

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家具配置換えも地震対策

 「地震は不安」と感じながら、どこか他人事にしてしまって、根拠のない「大丈夫」で過ごしている方も多いはずです。




 「防災」というと、備えるのが大変・何から手を付けて良いかわからない・何といってもお金が掛かるという印象が大きいですが、当会の地震災害対策「防震」は必要以上にお金をかけず、すぐ始められるのが最大の特徴です。


 大地震が起きると、家の中の家具などが凶器になることが多いです。下敷きになって死に至る可能性もあります。


 その対策として防災金具で至るところを固定するのも方法ですが、購入したまま面倒で取り付けていない方や、実際問題にお金も掛かるし、インテリアとして見た目も悪いとして控える方も多いです。


 例えば部屋の模様替えでもやり方次第では対策になります。


 家具の倒れそうな方向や避難経路確保を踏まえて模様替えすることならまず始められるかと思います。

関東:石川 克茂



9月1日は防災の日 その2

 100年前の9月1日、関東大地震で大きな被害を受けました。


 この教訓から毎年9月1日を「防災の日」と定めることになりました。


 私たちはこのような災害から何を学び、現代においてどう行動すべきでしょうか。


 一人ひとりが防災を平常時から備えることが大切です。





 災害時におこるの人間心理は2つあると言われています。

 1つ目は災害時に自分だけは大丈夫と考え、物事を過小評価する心理。

 2つ目は、集団の中にいると他の人と同じ行動をとる心理です。

 二つとも災害の時には逃げ遅れになると言います。




 災害時には慎重な行動できるようしたいものです。





 また、東京都港区では、賃貸住宅の転倒防止器具の取り付けを普及させるため、区営住宅など区が管理する賃貸住宅で原状復帰義務免除を開始しました。

 原状復帰義務とは‥通常の建物賃貸借契約では、賃貸借契約終了後には、賃借人は物件を「原状に回復して」明け渡さならければならない旨が規定されています。

 大地震などの災害時に家庭内でけがを防止するために家具転倒防止器具の取り付け時に発生する穴などに関しては、現在は借り手側に原状復帰の義務がありました。

 今のところ対象は 区営住宅、区立住宅、特定公共賃貸住宅の住居人ですが、細かい規定はなく 申請して現場復帰義務の免除を受ける流れになります。

 詳しくは 東京都港区防災課にご確認ください。





 お住まいでの被害を減らすために、ぜひ家づくり援護会を地震災害対策のサポートを利用してください。




NPO法人家づくり援護会 事務局
東京都渋谷区千駄ヶ谷4ー3ー1ー602
 TEL:03-3405-1358
 e-mail:info@iengo.ne.jp

北海道:今井 正樹



9月1日は防災の日

 いつどこで地震が起きてもおかしくない「地震大国・日本」。

 今後30年以内に首都圏直下地震が70%、南海トラフ地震は70~80%の確率とも言われています。



 9/1は防災の日。

 1981年6月以前の建物が旧耐震基準で危険として、行政では「耐震補強工事が必要」と言うのですが、当会へ届く相談では費用面で困難と仰る方が多いです。

 しかし何も対策をしない訳にはいきません。

 近年発生した地震でけがをした原因を調べると、約30~50%の人が、家具類の転倒・落下・移動によるものです。


 家づくり援護会では地震災害対策についてのご相談も受け付けております。

 「何からどう備えれば良いか?」「どこで寝るのが一番良い?」などの相談や、家具転倒防止策や建物内の避難径路の確保方法アドバイスなどを、住宅に精通した建築士がサポートしています。

 備えたくても備えられないとお悩みの方は家づくり援護会事務局までご連絡ください。


NPO法人家づくり援護会 事務局
東京都渋谷区千駄ヶ谷4ー3ー1ー602
 TEL:03-3405-1358
 e-mail:info@iengo.ne.jp



基礎工事検査の重要性


 建築工事中の第三者検査の重要性を我々はお伝えしていますが、後からでは見えなくなってしまう部分の検査は非常に大切です。

 家づくりのスタートとなる基礎工事は、コンクリートを打ってしまうとそのなかの鉄筋の状態は後からでは全く見えなくなってしまいますので、必ずコンクリートを打つ前に見なければなりません。



 ポイントは、鉄筋が設計通りの物が適正に入っているかどうか、鉄筋の周りのコンクリートの被り厚さが取れているか、などをチェックします。

 基礎の中央に鉄筋が入っていることが基本となり、鉄筋と枠の間がコンクリートの被り厚さとなります。

 基礎は、鉄筋とコンクリートが一体となって適正な強度が確保されますので、この被り厚さは非常に重要です。



 この被り厚さをきちんと取らずに、適当に工事がされた場合は後々問題が発生してしまいます。

 出来上がったばかりのときはきれいな状態で、見た目では何も問題が無いように見えてしまいます。

 しかし、年数が経ってくると、コンクリートが薄い部分では鉄筋の錆が発生し、コンクリートを壊してしまうことも起こります。

 写真のように壊れた基礎を見てもらえれば、実は鉄筋がすぐ下にあったことが解ります。



 このように、後から解るようではどうしようもありません。
コンクリートを打つ前に、見えなくなる前に検査を入れることが大切であることがお解り頂けると思います。

理事長:植田 達二


断熱材  ~その意味を考える~

 この写真は屋根面への発泡ウレタン吹付断熱材の施工写真です。



 先に直径150mmのアルミ製フレキシブルダクトを取り付けたために、

断熱施工業者がそのままダクトを埋め込むように発泡ウレタンを吹き付けてしまったようです。



 監督さんのチェックがなされていなかった現場といえます。



 断熱材は基本的に外気に面する部位に施工しなければいけません。

このダクトがあることにより、最も熱負荷がかかる屋根面の断熱欠損となっています。



 このまま天井の石こうボードを貼ってしまえば、

断熱材施工不良部分は隠され、分からなくなってしまいます。



 現場のチェックにおいて大切なことは、

その時、そのタイミングでないと確認出来ないことがあることです。



 また、キッチンのレンジフードの排気ダクトだったので、

冬場には料理から出る温かい湯気を排気するとダクト内で外気に冷やされ、

結露が発生し、レンジフードから水滴がぽたぽたと流れ出る可能性もあります。



 以上のようなことを現場で説明をすると、

イエンゴに検査を依頼された方から、施工業者さんへ改善の指示を出され、

一旦ダクトを外し、正しく断熱材を施工し直し、

本来あるべき姿に是正をされました。



 イエンゴでは、現場検査の際には、依頼者の方に立ち合いをお願いしています。



 今回の様な場合も現場で検査結果の説明を行い、また是正の指示もその場で

出せますので、施工中のロスタイムも少なく現場の改善が出来ます。



 施工中の現場には、第三者の目が大切なのがお分かり頂けるかと思います。


関西:鉢嶺 民雄