日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

省エネ法改正について

 建築物省エネ法改正で、現在特定の建築物だけに限定されている

省エネ基準の適合義務が令和7年の施行後、

全ての新築の住宅が省エネ基準の適合義務の対象になります。




 増改築の場合にも省エネの適合義務が見直される予定です。


 省エネ性能を高めた住宅では、太陽光パネル、断熱材、サッシなどの採用などにより

住宅の建物としての重量が増してきます。


 このことより令和7年から構造の基準も変わります。



 省エネ、構造基準の改正などにより、家づくりも様々な基準に適合させるために

設計だけでなく施工中の管理も非常に大事になってきます。



 家づくり援護会は、家づくりを確実にサポートします。

 家づくり援護会を活用して たしかな家づくりをしてほしいと思います。

北海道:今井 正樹


地元の素材でこだわりの家づくりを

 家づくりにも地産地消を取り入れているケースがあります。

 一番わかりやすいのは、「木材」ではないかと。


 日本の国土の約67%が森林と言われています。

 それぞれの地元の木材を使用しての家づくりは良く聞くかと思います。

 家の骨組に使用するのはもちろん、窓や窓枠、建具、床、壁、天井、棚板、カウンター、家具等々木材はあらゆるところで使われています。


 また木材だけでなく、古来より陶器、紙、漆、織物、鉄器等々地場で作られているものも多数あります。

 最近は目にするのが少なくなっていますが、それぞれのものは家づくりでも使われているのです。

 意外と知らないところに地場の産業があったりしますよ。

 ぜひ調べてみてください。


 家づくりにおいて地元の素材を活用することは、地元の資源を活かすことになり、地域経済を支えることができます。


 また、家を新築やリフォーム・リノベーションするのであれば、その際のこだわりの部位を地場のもの使ってみることもお薦めします。きっと愛着が持てる家になるでしょう。


 よき家づくりを。





関東:大垣 康行


設計図面の活用法



 “言った、言わない” “説明した、聞いていない”



 当会によせられたトラブル事例の中に、

“言った、言わない”、“説明した、聞いていない”

という内容を含んだ事例があります。

打ち合わせ議事録や設計図面などに記録が無いため、

双方の記憶でしかわからない事例です。

 このような場合、第三者でも判断がしにくく、

業者側の言い分のほうが通ってしまうことが多いように感じます。



 そうならないために、設計図面を活用することをお勧めします。

新築工事でも改修(リフォーム)工事でも基本的に設計図面は作成します。

打ち合わせ議事録は業者により、作成したりしなかったりします。

ですので、その設計図面にできるだけ盛り込んでしまい、

後でもめないように、図でも文言でもわかるよう記載しておきます。

特に施主のほうで気にしている点、こだわりの点などは必須です。

 また、「設計図面は専門的すぎて、よくわからない」と施主の声があります。

設計図面のすべてを理解できなくても良いので、

気にしている点、こだわりの点などについて記載してあることは

確認しておいてください。



 工事が進んで、できてしまってからですと、後戻りはしにくいです。

ですので、双方齟齬の無いよう、十分に確認しながら、

記録を残して、トラブルにならないようにしてほしいと願います。


関東:大垣 康行


窓がないトイレ ~ほんとにいいの?~

 マンションでは角住戸でない限り、両側はお隣と分厚いコンクリートの壁で仕切られている。

 部屋のレイアウト上、居室が優先され、トイレや浴室はどうしても真ん中の方へ追いやられ、窓のないものになってしまう。

 これは、マンションの致し方ない宿命的なところです。

 ところがどうだろう最近、誰が流行らせたのか、

自由に設計できるはずの一戸建て注文住宅でも窓のないトイレや

浴室が度々見られるようになってきた。

 ここ数年現場検査に行って特に感じることです。

マンション住まいに慣れた方は、違和感がないのだろうか?

普段設計に携わるものとしては、全く考えにくいことです。

 現場で関係者に色々聞き合わせると、

・トイレ、浴室に窓を付けると追加になります。

・窓が無い方が冬場寒くないですよ。

・換気扇を付けていますので大丈夫ですよ。

等々の都合のいい説明でお客さんを納得させているようです。


 今や窓が付いていないのが標準仕様となっているのか?

トイレや浴室を窓なしにすればプランニング(間取り)が楽に出来ます。

現場だけではなく、設計においても手抜きを始めたのか!?


 休日の昼間に入るお風呂。

光が差し込み、リラックスして気持ち良く湯船につかる。

勿論、窓があるので換気も良く出来ます。

トイレにしても同じです。


 窓が無いと昼間でも電気(照明)を点けなければいけない。

換気扇だけでは臭いも抜けにくい等々・・・・・。


 トイレやお風呂の水回りは、換気・採光・居心地に重きを置き、気持ちよく使いたいものです。

トイレ・浴室こそいつもきれいに清潔にしたいものです。

やはりトイレには、窓があるべきでは?

関西:鉢嶺 民雄


自邸で気付かされた設計の第一歩とは

 私は20年前に自宅を建てました。その時の話をしたいと思います。


 我が家の土地は南側に道路があり、間口が狭く奥行きの長い「ウナギの寝床」と呼ばれる土地です。

 設計の当初、間口が狭い事が気になり、たくさんの部屋に光を入れるにはどうするかばかり考えていました。

 資金を投じて家を建てるなら、”もっと条件の良い土地に建てた方が良いのではないか”と考えるようになりました。


 今の土地と同額程度で、条件の良い土地は無いかと探したところ、東南側に道路があり、南側が間口の広い最高の角地が売りに出ている事をたまたま知りました。

 我が家の土地よりも多少値段が高かったけれど最高の立地でした。
 
 すべての部屋に南の光を取り込める素晴らしい土地だと思い計画をしてみました。

 ところが、欲が沸いて動線が長くなってしまい一向にまとまらないのです。


 改めて我が家の土地を考えてみると土地の悪いところではなく、良いところが見えてきました。

 一つの欲が消えて別の良さを見つけました。
 
 おかげ様で最高の自邸を建てることができました。

 それ以後は設計に当たって、「土地の良いところを見つける」事が設計の第一歩だと考えています。

東北:関 清